専大松戸・持丸監督の「楽しくなくなったら辞めるべき」から考える|子どもの退部を支える保護者の判断手順

夕暮れのグラウンドで息子の肩に手を置き、温かく見守る父親の後ろ姿(生成AIによるイメージ) 少年野球パパの応援指南

専大松戸・持丸監督の「楽しくなきゃ辞めろ」は冷たいか?未経験パパが息子の『撤退』を支えた真実

2026年春のセンバツ準決勝後、専大松戸の持丸修一監督は、自身が指揮を続ける理由について、選手たちの気力や楽しさに引かれてグラウンドへ行くのが楽しく、「楽しくなくなったら、もうそれは辞めるべき」と語りました。

この発言は、選手に「楽しくなければすぐ辞めろ」と命じた言葉ではありません。報道の文脈は、77歳の持丸監督自身の進退についての回答です。本記事ではこの前提を崩さず、子どもが野球を辞めたいと言ったとき、保護者が急いで結論を出さないための聞き方と確認手順をまとめます。

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持丸監督の発言は「本人の進退」の話

スポニチの試合後報道では、2026年3月29日、専大松戸が大阪桐蔭に2―3で敗れた準決勝後、持丸監督が指導を続ける情熱の源を問われた流れで発言しています。選手の退部基準や、保護者の子育て方針を示したものではありません。

したがって、「持丸監督はやらされる野球を否定している」「辞める決断こそ才能だ」とまで広げるのは解釈です。確実に言えるのは、本人がグラウンドへ向かう原動力として楽しさを挙げたことです。

「辞めたい」を聞いた日に結論を迫らない

子どもの「辞めたい」には、疲労、けが、役割への不満、人間関係、暴言やハラスメント、学業や別の活動への関心など、異なる背景があります。継続を説得する前に、安全上の緊急度と本人の希望を分けて確認します。

最初の会話で使える5つの質問

  1. 「辞めたいと思ったのは、いつ頃から?」
  2. 「いちばんつらいのは、練習、試合、人間関係、体の痛み、それ以外のどれに近い?」
  3. 「休む、回数を減らす、役割を変える、チームを変える、辞めるなら、今はどれを考えている?」
  4. 「チームの人に伝えるなら、誰と一緒だと安心?」
  5. 「今日すぐ対応してほしい怖いことや痛いことはある?」

「せっかく続けたのに」「逃げ癖がつく」と評価する前に、話を最後まで聞きます。子どもが話しにくそうなら、散歩や移動中など、目を合わせ続けなくてよい場を選ぶ方法もあります。

続ける・休む・移る・辞めるを比較する

選択肢 確認すること 次の一歩
続ける 何が変われば続けられるか 期間と見直し日を決め、負担を調整する
一時的に休む けが・疲労・睡眠不足の有無 復帰を急がず、必要なら医療機関へ相談する
役割や頻度を変える 希望するポジション、参加可能日 本人同席の可否を聞き、指導者へ相談する
別のチームへ移る 指導方針、費用、移動、練習量、安全管理 見学・体験後に本人の感想を聞く
辞める 退部手続き、用具、次にしたいこと 本人と伝え方を決め、感謝を添えて連絡する

安全に関わるサインは「様子見」にしない

次の状況では、根性や継続の問題にせず、練習参加を止めることを含めて安全を優先します。

  • 強い痛み、頭部への衝撃後の症状、繰り返す体調不良がある
  • 指導者や選手から暴力、暴言、性的な言動、差別、いじめを受けている
  • 眠れない、食べられない、学校へ行けないなど生活への影響が続く
  • 「消えたい」など自傷をうかがわせる発言がある

けがや体調は医療機関へ、暴力・ハラスメントはチームの上位団体や学校など適切な窓口へ相談します。生命の危険が迫る場合は地域の緊急窓口を利用してください。

筆者家庭で「手放す」と決めた範囲

筆者の家庭でも、子どもが野球を続けない選択をしたことがあります。ここで大切だったのは、保護者が結論を代わりに決めることでも、何も関わらないことでもなく、本人が理由と次の希望を言葉にする時間を確保したことでした。

未成年者のプライバシーを守るため、学校名、所属先、学年、ポジション、会話の逐語的な再現など、本人の特定につながる詳細は掲載しません。この一例を、すべての家庭に当てはまる成功談として扱うこともできません。

「手放す」と「放置」の境界線

保護者が担うこと 本人に委ねること
安全、健康、費用、移動、手続きの確認 競技を続けたいかという意思
選択肢と期限を整理する 体験後にどう感じたか
指導者との連絡を支援する 自分の言葉で伝える範囲
威圧やハラスメントから守る 次に試したい活動

年齢や状況に応じて保護者の関与は変わります。「本人が決めたから」と安全確認まで手放さず、「親が心配だから」と意思決定まで奪わないことが目安です。

指導者へ伝えるときの例文

本人から、今後の参加について考え直したいと相談がありました。まず○日まで練習を休み、本人の体調と希望を確認します。その後、続け方の変更または退部についてご相談させてください。本人を責める形ではなく話し合えるよう、ご協力をお願いします。

退部を決めた場合は、理由を必要以上に詳しく説明する義務はありません。貸与品の返却、会費、登録、保険など実務事項を確認します。本人が直接伝えることに強い不安がある場合、保護者が同席または代行して構いません。

決断前チェックリスト

  • 本人の言葉を途中で評価せず聞いた
  • 痛み、体調、睡眠、食欲を確認した
  • 暴力・暴言・いじめなど安全上の問題を確認した
  • 続ける以外に、休む・頻度変更・移籍・退部も並べた
  • 保護者自身の「もったいない」と本人の希望を分けた
  • いつ結論を見直すかを決めた
  • 個人情報を誰にどこまで伝えるか本人と相談した

Q&A

一度の失敗で「辞めたい」と言っています

その日の感情を否定せず、まず休息を取ります。翌日以降も希望が続くか、同じ原因が繰り返されていないかを確認し、結論を急がない方法があります。ただし安全上の問題があれば待ちません。

指導者から「逃げ癖がつく」と言われました

継続の価値観と安全・本人の意思は別です。具体的な懸念と代替案を聞き、最終的には家庭で判断します。威圧的な引き留めがある場合は上位団体などへ相談します。

辞めた後に後悔しないでしょうか

後悔を完全になくす方法はありません。理由、比較した選択肢、決めた時点の気持ちを短く記録し、「再開や別競技も選べる」と伝えると、決断を固定化せずに済みます。

まとめ

持丸監督の「楽しくなくなったら辞めるべき」は、報道上は監督自身の進退についての発言です。子どもの退部を一律に勧める根拠ではありません。それでも、楽しさが失われたという訴えを、怠けや逃げと決めつけず聞くきっかけにはできます。

保護者の役割は、続けさせることでも即座に辞めさせることでもなく、安全を確認し、選択肢を並べ、本人が納得できる決断を支えることです。