「うちの子、将来はプロ野球選手になりたいって言ってるけど、自分は野球経験ないし、どうサポートしたら…」
お子さんが少年野球に打ち込む姿を見て、そんな期待と不安を感じている野球未経験のパパも多いのではないでしょうか?
大丈夫です!プロ野球選手になる夢は決して簡単ではありませんが、その道のりは親子にとってかけがえのない成長の物語になります。
今回は、広島東洋カープで活躍する注目の若手、二俣翔一(ふたまた しょういち)選手の歩みを紐解きながら、少年野球からプロを目指す子供を、野球未経験のパパがどうサポートしていけば良いのか、そのヒントを探ります。
二俣選手の成長ストーリーと親子の絆から、あなたのお子さんの可能性を広げる育成術を一緒に学びましょう!
二俣翔一選手とは? ~育成から這い上がった若鯉~
まずは、二俣翔一選手がどんな選手なのか、簡単にご紹介します。
- 所属: 広島東洋カープ(背番号99)
- 生年月日: 2002年10月21日(2025年4月現在 22歳)
- 出身地: 静岡県御前崎市
- 身長/体重: 180cm/78kg
- ポジション: 内野手、外野手
- 投打: 右投右打
- ドラフト: 2020年育成ドラフト1位
磐田東高校から育成ドラフト1位でカープに入団した二俣選手。入団当初は捕手でしたが、その後内野手にコンバート。2022年オフに支配下登録を勝ち取り、2024年シーズンには開幕スタメンを掴むなど、着実にステップアップしています。強肩を生かした守備力と、パンチ力のある打撃が魅力の、将来が楽しみな選手です。
少年野球からプロへの道 ~二俣選手の成長の軌跡~
二俣選手は、どのようにしてプロ野球選手への道を歩んできたのでしょうか?その道のりを時代ごとに見ていきましょう。
小学生時代:野球との出会いと父の教え
- 所属: 黒潮野球スポーツ少年団
- 野球を始めたのは小学生の頃。当初はピッチャーも務めていました。
- 父親である豪良(ひでよし)さんは、当時から厳しくも熱心に指導。試合で打たれた日は、家で正座することもあったとか。
- ポイント: この頃から父親に**「人間観察」**の重要性を教わります。相手バッターやピッチャーの癖、味方の特徴を見抜く力は、後の野球人生で大きな武器となります。
中学時代:捕手としての経験と強肩の養成
- 所属: 小笠浜岡リトルシニア
- 捕手としての経験を積み、父親(高校まで捕手)から直接指導を受ける機会も増えます。
- スキル向上: 「捕ってから(送球までが)遅い」という父からの指摘を常に意識し、送球スピードやフットワークを徹底的に磨き上げ、自慢の強肩を養成していきました。
高校時代:強肩強打の捕手として注目
- 所属: 磐田東高校
- 1年時から遊撃手でレギュラー、2年夏から捕手に転向。
- 成長ポイント: 高校通算21本塁打の長打力に加え、父親が特に注力した肩の強化により、**「小学校から高校の間で肩の強さは誰にも負けたことがない」**と言えるほどの強肩が完成。父親自身が高校時代の怪我で野球を断念した経験から、怪我予防にも細心の注意が払われました。人間観察力もさらに磨きがかかります。甲子園出場は叶いませんでしたが、そのポテンシャルが高く評価されました。
プロ入団後:育成からの挑戦と挫折、そして飛躍
- プロ入団 (2020年): カープから育成ドラフト1位指名。捕手として入団。スカウトからは「すぐに支配下になれる」と期待されるも、プロのレベルの高さを痛感。一時は「野球をやめたい」と父親に弱音を吐くほどの挫折も経験します。
- 支配下登録 (2022年): 挫折を乗り越え、内野手としての適性を見出され、持ち前の守備力を武器に支配下登録を勝ち取ります。父親からの「今まで頑張って来たのを皆が見てくれている」という言葉が大きな支えとなりました。
- 一軍デビュー (2024年~): 一軍に定着し、開幕スタメンを掴むなど活躍。守備での貢献はもちろん、プロ初安打や初ホームランも記録。新井監督から直接指導を受けるなど、打撃面の更なる成長も期待されています。
親子の絆が成長を支えた ~父・豪良さんとのエピソード~
二俣選手の成長の陰には、常に父親・豪良さんの存在がありました。野球経験者である父の厳しくも温かいサポートが、二俣選手をプロの世界へと導いたと言っても過言ではありません。
- 厳しさの中の愛情: 小学生時代の正座エピソードにも見られるように、野球に対しては非常に厳しい父親でしたが、それは息子への期待と愛情の裏返しでした。
- 技術指導と観察力の育成: 自身も捕手だった経験を活かし、具体的な技術指導を行うだけでなく、幼い頃から「人間観察」の大切さを教え込みました。この観察眼が、二俣選手の野球センスの基礎を築きました。
- 挫折からの奮起: プロ入り後に「野球をやめたい」と漏らした息子に対し、「皆が頑張っている姿を見ているのにそんなことを言うんじゃない」と厳しく諭し、再び前を向かせました。
- 息子の活躍を願う親心: 初任給でプレゼントされた財布を大切に使い、「一軍で活躍したらもっと嬉しい」と息子に伝える父親。プロ初安打の記念球を「送れよ」と催促する姿からは、息子の活躍を誰よりも喜び、誇りに思う気持ちが伝わってきます。
これらのエピソードから、技術的な指導だけでなく、精神的な支えとなり、時には厳しく、時には温かく見守る親の存在が、子供の成長にいかに重要であるかが分かります。

二俣選手に学ぶ!親子での育成ヒント【野球未経験パパ向け】
二俣選手の父親は野球経験者でしたが、野球未経験のパパにだって、子供の成長を力強くサポートできることはたくさんあります。むしろ、技術的な口出しをしすぎず、子供の可能性を信じて環境を整えることに集中できる、というメリットもあるかもしれません。
二俣選手の事例から、私たち野球未経験パパが学べる育成のヒントを4つご紹介します。
1. 「見る力」を育てる ~親子で人間観察のススメ~
二俣選手が幼い頃から父親に教わった「人間観察」。これは野球においても非常に重要なスキルです。
【実践ポイント】
- 一緒に野球観戦: テレビ中継を見ながら、「あのピッチャー、どんな癖があるかな?」「あのバッター、何を狙ってると思う?」など、親子で選手の特徴やプレーの意図について話し合ってみましょう。
- 「気づき」を促す: 試合や練習の後、「今日はどんなことに気づいた?」と問いかけ、子供自身が観察し、考える習慣をつけさせましょう。
- メモの活用: チームメイトや対戦相手の特徴をメモする習慣も、観察力と分析力を養うのに役立ちます。
「高校に入学しても、味方投手の癖や相手打者の癖など、選手の特徴は、メモも活用しながら頭に入れてきました。高校になってから、新たに気づいた視点もあるので、選手を観察する力は成長したと思います」 – 二俣翔一選手
2. 子供の「武器」を見つけて磨く
二俣選手の最大の武器である「強肩」は、父親がその才能を見抜き、意識的に伸ばした結果です。
【実践ポイント】
- 得意なプレーを見つける: 「遠くに投げられる」「足が速い」「バットコントロールが上手い」など、子供が得意とすること、好きなことを見つけましょう。
- 強みを褒めて伸ばす: 苦手なことを指摘するよりも、まずは得意なことを「すごいね!」「もっと上手くなるかも!」と具体的に褒めて、自信と意欲を引き出しましょう。
- 適切な環境を整える: 強みを伸ばすための練習メニューを指導者と相談したり、関連する情報を提供したりするなど、環境面でサポートしましょう。(例:強肩ならキャッチボールの相手をする、遠投練習ができる場所を探す)
「父親は高校時代のケガで野球を辞めるようになった経験から、二俣翔一選手に怪我をさせないように気を付けてきました」 – (参考記事より要約)※強みを伸ばす際も、怪我のリスク管理は重要です。
3. 「見守る勇気」を持つ ~適切な距離感の重要性~
プロ野球選手の親の多くが「環境は整えるが口は出さない」というスタンスを取るように、子供の成長には親との適切な距離感も大切です。
【プロの育成現場からの知見】
- 「ご両親が干渉しすぎている選手ほど伸びない」という声はよく聞かれます。
- メリハリが重要であり、全く関わらないということではありません。
【実践ポイント】
- 技術指導は専門家(指導者)に任せる: 野球未経験のパパが中途半端なアドバイスをすると、子供を混乱させてしまう可能性があります。指導者を信頼し、家庭では良き理解者、応援者に徹しましょう。
- 「聞く」姿勢を大切に: 子供の話をじっくり聞き、共感する姿勢を示しましょう。アドバイスよりも、子供自身が考え、答えを見つけるサポートを心がけます。
- 過度な期待をしない: 結果ばかりを求めず、子供のペースと「野球が好き」という気持ちを尊重しましょう。
4. 失敗から学ぶ強さを育む ~挫折は成長の糧~
二俣選手も経験した「プロの壁」。子供が壁にぶつかった時こそ、親の真価が問われます。
【実践ポイント】
- 失敗を恐れない環境を作る: チャレンジしたこと自体を褒め、「失敗しても大丈夫」「次があるよ」という安心感を与えましょう。
- 努力のプロセスを認める: 結果だけでなく、そこに至るまでの努力や頑張りを具体的に認め、自信を取り戻させましょう。「あの時、あんなに練習頑張ってたじゃないか」と過去の努力を思い出させるのも効果的です。
- 一緒に乗り越える姿勢: 「どうすれば乗り越えられるか、一緒に考えよう」と寄り添う姿勢が、子供に安心感と前へ進む勇気を与えます。
「何を言ってんだ。今まで頑張ってきたんだろう?その頑張りをみんなちゃんと見てくれているんだぞ。そんなこと口に出しちゃだめだ」 – 二俣選手の父親(息子が弱音を吐いた時の言葉)
まとめ ~親子で夢を追いかけることの価値~
「次は一軍の舞台で活躍するところを見せられたらもっと親孝行になると思います」 – 二俣翔一選手
「次は一軍で翔一が試合に出て活躍してくれたら嬉しいなぁ」 – 二俣パパ
育成ドラフトから這い上がり、一軍で輝きを放ち始めた二俣翔一選手。彼の成長の軌跡は、本人のたゆまぬ努力はもちろんのこと、父親との強い絆と、野球を通じた親子の成長物語そのものでした。
「人間観察力」を磨き、「強み」を伸ばし、時には「適切な距離」で見守り、「挫折」を乗り越える力を育む。
これらのヒントは、野球経験がないパパでも、今日から実践できることばかりです。
プロ野球選手になれるのはほんの一握りかもしれません。しかし、少年野球を通して親子で目標に向かって努力し、喜びや悔しさを分かち合い、共に成長していく時間は、何物にも代えがたい宝物になるはずです。
二俣選手親子のように、野球という素晴らしいスポーツを通して、お子さんと一緒に夢を追いかけ、最高の「親子バッテリー」を目指してみませんか?