少年野球の練習場所がない?公園キャッチボール禁止から「中学校のグラウンド」を貸切にしたパパの逆転劇
※AI生成による音声コンテンツにて、発音や読み方に違和感ございますが、ご了承ねがいます。
少年野球に打ち込む子供を持つ親にとって、最大の悩みのひとつが「練習場所の確保」ではないでしょうか。
「休みの日に、息子と一緒にキャッチボールがしたい」
「チームの練習がない日も、少しでもバットを振らせてあげたい」
そんな親心から、近所の公園にグローブとボール、そしてバットを持って出かけるパパやママは多いはずです。私自身、野球未経験でありながらも、息子が野球を始めたことをきっかけに、休日は必ずといっていいほど近くの公園で一緒に汗を流していました。
しかし、現代の都市環境や住宅事情において、子供たちが思い切りボールを投げられる場所は驚くほど少なくなっています。ある日突然、いつも使っていた公園に「球技禁止」の冷酷な看板が立てられた時の絶望感。周囲の冷ややかな視線に耐えられず、逃げるように公園を後にしたあの日のことは、今でも鮮明に覚えています。「もう、息子と一緒に野球を楽しむことはできないのだろうか……」と、肩を落として歩いた帰り道。
ですが、私たち親子はそこで諦めませんでした。なんと、灯台下暗しとも言える「中学校のグラウンド」という広大なスペースを合法的に、しかも貸切状態で利用するという逆転劇を起こしたのです。
この記事では、公園でのキャッチボールを禁じられ、練習場所を失って途方に暮れていた私たちが、どのようにして中学校のグラウンドという最高の環境を手に入れたのか、その具体的なステップと裏話を余すところなくお伝えします。
また、グラウンドでの保護者同士の雑談で話題になるような「プロ野球選手が自ら野球施設を作った最新事情」も交えながら、野球環境の大切さを深く掘り下げていきます。これを読めば、練習場所がなくて困っているあなたも、明日から行動を起こしたくなるはずです。子供のために最高の環境を作るのは、決して不可能ではありません。さあ、一緒に「ゼロからの挑戦」を始めましょう!
菊池雄星や筒香嘉智に学ぶ!プロが「野球環境」を自ら作る理由(保護者間の雑談ネタ)
少年野球の練習中、グラウンドの隅っこで保護者同士が会話をする時間ってありますよね。「最近、バットの振りが良くなったね」「次の試合、相手チームのエースがすごいらしいよ」といった子供たちの話題から、プロ野球の最新ニュースまで、様々な情報交換が行われる貴重な場です。
そんな雑談の場で、ぜひ話題に出してみてほしいのが「プロ野球選手たちが自ら、莫大な私財を投じて野球環境を作っている」というニュースです。なぜ、トップクラスの選手たちがそこまでするのでしょうか?そこには、私たち少年野球の親も直面している「日本の野球環境の危機」に対する強い思いが隠されています。
菊池雄星の「King of the Hill」(岩手・花巻市)
メジャーリーグで活躍する菊池雄星投手。彼が故郷の岩手県花巻市に、とてつもない野球施設を建設したというニュースをご存知でしょうか。その名も「King of the Hill(K.O.H)」。
単なるブルペンや練習場ではありません。最新のトラッキングシステム(球の回転数や軌道を測定する機械)を備えた全天候型の屋内練習場であり、さらには彼がこれまでに集めたメジャーリーグの貴重なアイテムが展示されたミュージアム、そして美味しいコーヒーが飲めるカフェまで併設されているという夢のような施設です。
菊池雄星投手がこの施設を作った背景には、「雪国である岩手県の子供たちにも、一年中最高の環境で野球に打ち込んでほしい」という切実な思いがあります。雪が降ると外でボールが投げられない。都市部に比べて最新の指導や設備に触れる機会が少ない。そんな地方のハンデをなくし、子供たちの可能性を最大限に引き出したいという願いが込められているのです。
保護者同士の雑談で、「菊池雄星が岩手にすごい施設を作ったらしいよ。雪国でも関係なく練習できるんだって。やっぱり環境って大事だよね」と切り出せば、「そうだよね、うちの近所なんて公園でキャッチボールすらできないもんね……」と、環境問題への共感から会話が弾むこと間違いなしです。
筒香嘉智の「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」(和歌山・橋本市)
もう一人、環境づくりに本気で取り組んでいるのが、日本球界に復帰して大きな話題を呼んだ筒香嘉智選手です。彼は地元である和歌山県橋本市に、「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」という巨大な野球施設を建設しました。
驚くべきは、その規模とこだわりです。なんと総工費2億円を“自腹”で負担し、内外野ともに天然芝の美しい球場を作り上げたのです。さらに室内練習場も完備し、子供たちが怪我をせずにのびのびとプレーできる環境を整えました。
筒香選手は以前から、「日本の少年野球の指導や環境、特に勝利至上主義や怪我のリスク」に対して警鐘を鳴らしてきました。「勝つためだけに過度な練習をさせられ、将来ある子供たちが肘や肩を壊してしまうのはおかしい。子供たちが心から野球を楽しみ、正しい体の使い方を学べる場所が必要だ」と。
彼が自腹を切ってまで天然芝の球場を作ったのは、「スライディングをしても痛くない、思い切りダイブできる環境」を提供するためです。土のグラウンドで擦り傷だらけになりながら泥臭くやるのも一つの美学かもしれませんが、子供の体への負担を考えれば、柔らかい天然芝に勝るものはありません。
「筒香選手って、2億円も自腹を切って天然芝の球場を作ったんだって。子供が怪我しないようにって。すごいよね。うちのチームのグラウンドも天然芝だったら、スライディングの練習も怖くないのにね」なんて話せば、親としての共感度は120%です。
私たち一般の親にプロのような施設は作れるのか?
他にも、斎藤佑樹氏が北海道夕張郡で「はらっぱスタジアム」という野球場を手作りするプロジェクトを進めているなど、元プロ野球選手たちが次々と「場所づくり」に動いています。
彼らの行動の根底にあるのは、「今の日本は、子供が安全に、そして自由に野球を楽しめる場所が少なすぎる」という強烈な危機感です。トッププロですらそう感じているのですから、私たち一般の親が「練習場所がない」と悩むのは当然のことなのです。
では、私たちには何ができるのでしょうか。数億円を寄付して立派なスタジアムを建てることは、もちろん不可能です。莫大な資産がなければ、天然芝のグラウンドを作るなんて夢のまた夢でしょう。
しかし、「子供のために環境を整えたい」という思いの強さにおいて、私たちもプロ野球選手に負けていないはずです。お金をかけなくても、アイディアと行動力があれば、子供にとって最高の練習場所を確保することはできるのです。ここからは、私が実際に直面した「公園でのキャッチボール禁止」という絶望から、どのようにして「中学校のグラウンド貸切」という奇跡の環境を手に入れたのか、その泥臭くもリアルな体験談をお話しします。
【体験談】公園でのキャッチボールが禁止に!居場所を失った親子の絶望

私と息子の「ゼロからの挑戦」は、近くの少し大きめの公園から始まりました。私は野球未経験。ボールの握り方も、バットの振り方もよくわからないまま、インターネットやYouTubeで見よう見まねで学び、休日のたびに息子と公園へ通っていました。
最初はプラスチックのバットと柔らかいボール。それが次第に軟式ボールになり、金属バットになり……。息子が成長し、チームに入って本格的に野球にのめり込むにつれて、私たちの公園での練習も少しずつ熱を帯びていきました。
「パパ、もっと強い球投げて!」
「よし、次はゴロの練習だ!」
広い公園の片隅で、周りに人がいないか十分に気を配りながら、親子で汗を流す時間は何物にも代えがたい宝物でした。私が教えられる技術には限界がありましたが、一緒にボールを追いかけ、できなかったことができるようになる喜びを共有する。それだけで、未経験パパとしての責任を果たせているような気がして嬉しかったのです。
突然立てられた「球技・危険」の看板
しかし、そんなささやかな幸せの時間は、ある日突然終わりを告げました。
いつものように週末の朝、息子とグローブを持って公園に向かった時のことです。入り口のフェンスに、見慣れない真新しい看板が取り付けられていました。
『ここはみんなの公園です。硬いボールを使ったキャッチボールや、バットを使った球技は危険ですので禁止します。』
真っ赤な文字で書かれた「禁止」という二文字。頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。
「パパ……これ、どういうこと? もうここで野球しちゃダメなの?」
不安そうに見上げる息子の顔を見て、私は言葉に詰まりました。「うーん、そうだね……ちょっと危ないって言われちゃったのかな」と誤魔化すのが精一杯でした。
もちろん、公園は公共の場であり、小さな子供やお年寄りなど、様々な人が利用します。私なりに、人が少ない早朝を狙ったり、周囲に人が近づいてきたらすぐに練習を中断したりと、最大限の配慮をしていたつもりでした。しかし、誰か一人でも「危ない」「迷惑だ」と感じたのであれば、それは事実です。
「硬いボール」や「金属バット」の音が、野球に関心のない人にとっては恐怖や騒音に感じられることは理解できます。クレームが入ったのか、町内会で問題になったのかはわかりませんが、ルールとして明文化されてしまった以上、それに従うしかありません。
近隣住民からの冷たい視線と、居たたまれなさ
看板が立ってからしばらくの間、私は諦めきれずに「ボールを柔らかいカラーボールに変えれば大丈夫だろう」「バットは振らずに、軽くキャッチボールするくらいなら許されるのではないか」と、細々と公園での練習を続けていました。
しかし、現実は甘くありませんでした。
柔らかいボールで軽くキャッチボールをしているだけでも、公園を散歩しているお年寄りや、犬の散歩をしている人が通りかかるたびに、明らかに嫌な顔をされるようになりました。すれ違いざまに「舌打ち」をされたり、ブツブツと文句を言われながら横目でにらみつけられたり。
「危ないわねえ」「看板見えないのかしら」という声が、直接耳に入ってくることもありました。
その時の「居たたまれなさ」と言ったらありません。自分が犯罪者のように扱われているような、社会から拒絶されているような、そんな惨めな気持ちになりました。
「パパ、なんかあの人怒ってるよ……やめようか」
息子も、周囲の冷たい空気を敏感に察知していました。野球を楽しむために来ているはずなのに、ビクビクしながら周囲の目を気にしてボールを投げる。そんな練習に、何の意味があるのでしょうか。
「ごめん、今日はもう帰ろう」
私は息子の手を引き、逃げるように公園を後にしました。帰り道、息子は何も言わずに下を向いて歩いていました。その小さな背中を見るのが辛くて、悔しくて、涙が出そうになりました。
「俺は、子供にキャッチボール一つさせてやれる場所も見つけられないのか……」
未経験だから技術は教えられなくても、せめて「一緒に練習する環境」くらいは作ってやりたかった。それすらできない自分への不甲斐なさと、どうしようもない日本の住宅事情への恨み節が頭の中をぐるぐると回っていました。親子にとって、まさに絶望の淵に立たされた瞬間でした。
灯台下暗し!休日の「中学校グラウンド」がガラ空きという大発見
公園を追い出され、練習場所を失った私たち親子。家の前の道路でキャッチボールをするわけにもいかず(それこそ近所迷惑です)、バッティングセンターに毎日通うお金もありません。
車で30分以上走れば、河川敷のグラウンドや大きな広場があることも知っていましたが、毎週末、思い立った時にすぐ練習できる「近所の場所」でなければ、子供のモチベーションも親の体力も続きません。
「もう、家の中でシャドーピッチングや素振りをするしかないのか……」
そう諦めかけていたある土曜日の午後。息子と一緒に肩を落としながら、家の近所をトボトボと歩いていた時のことです。
落胆の帰り道で見つけた、誰もいない広大なスペース
私たちの家のすぐ近くには、市立の中学校があります。息子が将来通うことになるであろうその中学校の横を通りかかった時、ふと防球ネット越しにグラウンドに目をやりました。
そこには、驚くべき光景が広がっていました。
「えっ……誰もいない?」
だだっ広い土のグラウンド。野球用のバックネットもあり、ベースも置いてあります。しかし、見渡す限り、人の姿が全くないのです。
その日は土曜日。当然、学校は休みです。通常であれば、野球部やサッカー部、陸上部などが活発に部活動を行っているはずです。しかし、後で知ったのですが、その中学校は少子化の影響もあり運動部があまり盛んではなく、特にその日は遠征に行っていたのか、テスト休みだったのか、とにかくグラウンドは完全に「空っぽ」の状態でした。
「パパ、誰もいないね」
息子が防球ネットにしがみつきながら呟きました。
「そうだね。誰もいない……」
私は、目の前に広がる誰もいない広大なグラウンドと、先ほどまでいた「人が密集し、冷たい視線を浴びせられた公園」の光景を頭の中で比較していました。
公園は密なのに、学校のグラウンドは使われないギャップ
なんという矛盾でしょうか。
ほんの数百メートル離れた公園では、ボール遊びをしたい子供たちと、静かに過ごしたい大人たちが狭いスペースでひしめき合い、「危険だ」「迷惑だ」とトラブルになっている。
一方で、スポーツをするために作られた広大で安全な学校のグラウンドは、土日になると誰一人使わずに放置され、ただ風が吹いているだけ。
「こんな広いグラウンドが人一人いないのに、公園でビクビクしながらボール遊びをして怒られるなんて、絶対におかしい!」
私の心の中で、怒りとも情熱ともつかない強い感情が沸き起こりました。日本のどこにでもありそうなこの矛盾。しかし、嘆いていても始まりません。
「息子よ、答えはここにあるぞ」
私は息子と顔を見合わせました。息子の顔にも、パッと明るい光が差し込んだように見えました。
「この中学校のグラウンド、私たちが使わせてもらえばいいんじゃないか?」
もちろん、勝手にフェンスを乗り越えて入れば不法侵入です。しかし、公立の中学校は「地域の財産」であるはず。手続きさえ踏めば、地域住民が利用できる道があるのではないか。私はすぐにスマートフォンを取り出し、市のホームページで「学校施設 開放 グラウンド利用」といったキーワードで検索を始めました。
これが、私たちの「逆転劇」の幕開けでした。
意外と簡単?学校のグラウンド利用許可を取るための具体的なステップ
市のホームページを読み込み、役所に電話で問い合わせをした結果、私の予想は的中しました。公立の小中学校のグラウンドや体育館は、「学校体育施設開放事業」といった名称で、地域のスポーツ団体やサークルに貸し出されていることがわかったのです。
「なんだ、ちゃんとルールに則れば、誰でもグラウンドを使えるんじゃないか!」
しかし、ここで一つ大きな壁にぶつかりました。利用許可を得るためには、個人ではなく「団体」として登録する必要があったのです。
「うちはただの親子なんだけど……団体なんて作れるのか?」
一瞬不安になりましたが、詳しく調べてみると、そのハードルは想像以上に低いものでした。ここでは、私が実際にグラウンド利用許可を勝ち取るまでに踏んだ具体的なステップをご紹介します。地域によってルールは異なりますが、基本的な流れはどこも似ているはずです。
学校や地域の人への相談からスタート
まずは情報収集です。私は、市のスポーツ振興課のような窓口に電話をかけ、事情を説明しました。
「近所の〇〇中学校のグラウンドが休日に空いているようなのですが、親子で野球の練習に使わせてもらうことは可能ですか?」
すると担当者の方は丁寧に教えてくれました。
「学校施設の開放は、市が管理している場合と、学校や地域の管理委員会が独自に管理している場合があります。〇〇中学校の場合は、地域のスポーツ推進委員や、学校の教頭先生が窓口になっていますので、まずはそちらに相談してみてください」
なるほど。いきなり申請書を出すのではなく、まずは「顔つなぎ」が必要だということです。私は平日の夕方、勇気を出して中学校に電話をかけ、教頭先生にアポを取りました。
教頭先生は非常に理解のある方でした。
「公園でキャッチボールができなくて困っているんですね。最近はそういう声が多いんですよ。うちのグラウンドは土日の午後は部活がないことが多いので、地域の方に使っていただけるのは学校としてもありがたいです」
さらに、地域のスポーツ推進委員の方(地元の町内会長さんなどがお世話をしていることが多いです)を紹介していただき、ご挨拶に行きました。
「お父さん、熱心だねえ! 子供のために場所を探してるなんて偉いよ。よしよし、協力してあげよう」
地域の顔役の方に気に入られることは、この手の交渉において最強の武器になります。真摯に「子供が安全に野球をする場所がなくて困っている」と訴えれば、大抵の大人は親身になってくれるものです。
スポーツ団体登録のカラクリと名義の活用術
さて、最大の関門である「団体登録」です。市の規定では「責任者が明確であり、〇名以上で構成される地域のスポーツ団体であること」というような条件がありました。
「〇名以上って言われても、私と息子の2人だけなんですけど……」
とスポーツ推進委員の方に正直に相談したところ、驚くべき解決策を提示されました。
「ああ、それならね、昔うちの地域にあった『〇〇ベースボールクラブ』っていう草野球チームの名義がそのまま残ってるから、それを使えばいいよ。代表者の名前をお父さんに変更しておけば、書類上は立派な団体だから」
なんと、活動休止中の地域団体の名義を「流用」させてもらえることになったのです!
もしこういった名義がない場合でも、実は団体登録のハードルは決して高くありません。例えば「ゼロゼロベースボールクラブ」という名前を自分で勝手につけ、代表者を自分にします。メンバーには、自分の子供、奥さん、さらには一緒に練習に付き合ってくれそうなパパ友や親戚の名前を数名書かせてもらえば、それだけで「団体」として成立してしまう自治体が多いのです。(※架空の人物を書くのはNGですが、名義上のメンバーとして家族を登録するのは多くの場合問題ありません)。
団体登録申請書、利用希望届などを提出し、スポーツ保険(年間数百円〜千円程度)に加入すれば、手続きは完了です。
数週間後、私の手元に「学校施設利用許可証」が届きました。
利用料は、なんと無料(あるいは電気代程度の数百円)。
公園で冷たい視線を浴びていた私たちが、広大で安全な中学校のグラウンドを、堂々と、合法的に使える権利を手に入れた瞬間でした。息子と一緒に許可証を見た時のガッツポーズは、一生忘れません。
親子2人の貸切から始まった「地域の野球コミュニティ」作り

待ちに待った土曜日。私たちは利用許可証を手に、堂々と中学校のグラウンドの門をくぐりました。
「パパ! すっごい広いね!!」
息子は目を輝かせ、グラウンドの真ん中に向かって駆け出していきました。
パパと息子、だだっ広いグラウンドでのフリーバッティング
そこは、まさに私たちだけの「貸切スタジアム」でした。周囲を気にして小さくボールを投げる必要はありません。思い切り腕を振って遠投をしても、金属バットをフルスイングしてフライを打ち上げても、誰にも怒られないのです。
私はピッチャーマウンド(らしき場所)に立ち、バッターボックスに立つ息子に向けてボールを投げました。
「カキーン!」
澄み切った金属音が、静かな中学校のグラウンドに響き渡ります。打球は外野の奥深くまで転がっていきました。
「ナイスバッティング! 走れ走れ!!」
公園では絶対にできなかった「フリーバッティング」です。息子は塁間を全力疾走し、満面の笑みでホームに生還しました。
「パパ、最高だよ! 野球ってこんなに楽しかったんだね!」
その言葉を聞いた時、私は手続きの面倒くささも、公園での惨めな思いも、すべて吹き飛ぶような感動を覚えました。プロ野球選手が数億円かけて作るスタジアムには到底及びませんが、私たち親子にとっては、ここが世界で一番の「King of the Hill(俺たちの城)」でした。
地域の経験者や「甲子園ボーイ」の同僚を巻き込む
最初の数週間は、親子2人だけで広大なグラウンドを贅沢に使って遊んでいました。しかし、私も野球未経験のパパです。ゴロの打ち方も、フライの捕り方も、どうしても自己流になってしまいます。
「せっかくこんないい場所があるんだから、もっと色んな人に手伝ってもらえないだろうか?」
私は、グラウンドの利用権という「最強の武器」を使って、周囲の大人たちを巻き込む作戦に出ました。
まずは、職場の同僚です。私の職場には、なんと高校時代に甲子園の土を踏んだことのある「元・甲子園ボーイ」の若い社員がいました。私は彼に声をかけました。
「週末、中学校のグラウンド貸し切ってるんだけど、たまにはキャッチボールでもしに来ない? ついでにうちの息子に少しだけ野球教えてよ。お昼ご飯くらいご馳走するからさ!」
「えっ、グラウンド貸し切ってるんですか!? 行きます行きます! 最近体動かしてなくてウズウズしてたんです!」
彼は二つ返事で来てくれました。さすが元甲子園球児、教え方が抜群に上手いのです。「グラブは下から出すんだよ」「ボールの縫い目にしっかり指をかけて」と、未経験の私では絶対に教えられないポイントを、息子に的確に指導してくれました。
さらに、近所に住む昔野球をやっていたというおじいちゃん(スポーツ推進委員の方の紹介)も、「お、やってるねえ」と散歩がてら覗きに来てくれ、ノックを打ってくれるようになりました。
「場所」があるというだけで、そこに人が集まり、経験者たちが自然と子供に野球を教えてくれる環境が出来上がっていったのです。
小学生〜中学生が集う場へ!3月の新入部員勧誘にも最適
中学校のグラウンドでワイワイと野球をやっていると、当然、近所の子供たちもフェンス越しに覗きに来ます。
「ねえねえ、何やってるの? 僕も混ぜて!」
息子と同年代の小学生たちが、グローブを持って集まってくるようになりました。中には、公園でボール遊びができなくてウズウズしていた子もたくさんいたのです。
「おお、入ってこい入ってこい! 一緒に試合しようぜ!」
私と息子、同僚の甲子園ボーイ、近所のおじいちゃん、そして集まってきた小学生たち。気づけば、「ゼロゼロベースボールクラブ(仮)」は、地域のちょっとした野球コミュニティへと成長していました。
さらに面白いことが起きました。グラウンドの主である中学校の野球部の生徒たちも、「あれ? なんか楽しそうなことやってるぞ」と、部活が休みの日に私服で遊びに来るようになったのです。
「お兄ちゃんたち、すげえ! ボール速い!」
小学生の息子たちは、中学生のプレーを間近で見て目を輝かせます。中学生たちも、小学生に「こうやって打つんだよ」と教えることで、自分たちの良い練習になっていたようです。
ちょうど3月の春先の時期でした。新学期を控え、どのチームも新入部員の勧誘に必死になる時期です。このグラウンドでの集まりは、息子の所属する少年野球チームにとっても、中学校の野球部にとっても、最高の「自然な勧誘の場」となりました。
「君、筋がいいね! 今度うちのチームの体験会に来てみなよ!」
「中学生になったら、絶対に野球部に入れよ!」
公園を追い出された絶望から数ヶ月。そこには、世代を超えた野球好きが集い、笑い合い、教え合う、理想的な「野球環境」が完成していました。
私ひとりの力で作ったわけではありません。しかし、「学校のグラウンドを借りる」というパパのちょっとした勇気と行動力が、結果的に息子だけでなく、地域の多くの子供たちを笑顔にすることにつながったのです。
まとめ

いかがだったでしょうか。公園でのキャッチボールを禁止され、絶望の淵に立たされた私たちが、中学校のグラウンドという最高の環境を手に入れるまでの逆転劇をお届けしました。
菊池雄星選手や筒香嘉智選手のように、数億円をかけて立派なスタジアムを作ることは私たちにはできません。しかし、「子供が思い切り野球を楽しめる場所を作りたい」という情熱さえあれば、知恵と行動力で環境は変えられます。
【練習場所を確保するためのアクションプラン】
- 視野を広げる: 公園がダメなら、地域の学校グラウンドや空き地、河川敷など、使われていないスペースがないかアンテナを張る。
- 行政・地域に相談する: 勝手に諦めず、市役所のスポーツ振興課や、学校の教頭先生、地域のスポーツ推進委員などに「子供が野球をする場所がなくて困っている」と相談する。
- 団体登録を活用する: 「個人」では借りられなくても、「団体」になれば借りられる施設はたくさんある。家族や友人を巻き込んで、スポーツ団体として登録する手続きを踏む。
- 周囲を巻き込む: 場所を確保したら、経験者や近所の子供たちを呼び込み、みんなで楽しめるコミュニティへと発展させる。
少年野球において、パパが子供にできる最大のサポートは「技術を教えること」だけではありません。未経験であっても、「子供が安全に、楽しく野球に打ち込める『環境』を大人の力で整えてあげること」は立派な指導であり、パパにしかできない大きな役割です。
もし今、あなたが練習場所の問題で悩んでいるなら、ぜひ明日、近所の学校のグラウンドを見に行ってみてください。休日の午後、誰も使っていない広大な土のグラウンドが、あなたと子供の新たな「夢の舞台」になるかもしれません。
ゼロからの挑戦は、まず「場所作り」から。
さあ、今度の週末はどこでキャッチボールをしましょうか!
