野球イヤイヤ期克服！パパが実践『魔法の声かけ』で息子を笑顔に

なぜ？「もう練習行きたくない！」イヤイヤ期の息子のホンネを探る

「昨日まであんなに楽しそうだったのに、どうして急に…？」
少年野球の練習を心待ちにしていたはずの息子さんから、突然「もう練習行きたくない！」という言葉が飛び出したら、パパとしては戸惑い、心配になりますよね。特に幼児期特有の「イヤイヤ期」と重なると、その対応に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな多くのパパが直面するであろうこの課題に対して、具体的なヒントと共感を込めて解決策を掘り下げていきます。

実は今回、この記事のポイントや背景にある想いを、より深く、そして気軽にご理解いただけるよう、特別な対談形式の音声コンテンツをご用意しました。まずはこの音声をお聞きいただくことで、記事全体の骨子や、筆者がどのような視点でこの問題と向き合ったのか、そのエッセンスを掴んでいただけるはずです。「うちの子と全く同じだ！」「こんな考え方があったのか！」といった共感や新たな発見が、きっとあなたを待っています。

この音声が、これから読み進めていただく記事内容への理解を一層深め、具体的な行動へと繋がる最初の一歩となれば幸いです。

それでは、まずはこちらの音声をお楽しみください。

いかがでしたでしょうか？
音声の中でお話ししたように、子どもの「行きたくない」という一言には、本当に様々な理由や感情が隠されています。それを表面だけで判断せず、じっくりと向き合い、その奥にある息子さんの本当の気持ち（ホンネ）を探ることが、解決への最も大切な第一歩となるのです。

「なぜなぜ分析」で深層心理にアプローチ

子どもの「行きたくない」理由を探る有効な手段の一つに「なぜなぜ分析」があります。これは、トヨタ生産方式で用いられる問題解決の手法で、表面的な事象に対して「なぜ？」を5回繰り返すことで、根本的な原因を突き詰めていくというものです。

例えば、息子さんが「練習に行きたくない」と言ったとしましょう。

1. パパ: 「どうして練習に行きたくないの？」
   息子: 「なんとなく…」または「疲れたから」
   • ここで諦めずに、さらに「なぜ？」を重ねてみましょう。
2. パパ: 「そっか、疲れたんだね。どうして疲れちゃったのかな？」
   息子: 「うーん…前の練習でいっぱい走ったから？」または「昨日、夜寝るのが遅かったからかも…」
   • さらに深掘りします。
3. パパ: 「いっぱい走ったからか。練習で走るのが、ちょっと大変だったりする？」または「夜更かししちゃったんだね。何か楽しいことでもあったのかな？」
   息子: 「走るのは嫌いじゃないけど…コーチがちょっと怖いんだ」または「うん、新しい絵本が面白くて、つい…」

このように、「なぜ？」を優しく繰り返すことで、単なる「疲れた」という表面的な理由の奥に、「コーチへの苦手意識」や「睡眠不足」といった、より具体的な原因が見えてくることがあります。海外の研究でも、幼いアスリートにとって過度な要求やオーバートレーニングは精神的な負担となりうることが指摘されています。

「行きたくない」に隠された多様なサイン

イヤイヤ期の子供の「行きたくない」には、様々なホンネが隠されている可能性があります。

• 身体的な理由:
  • 疲れ・睡眠不足: 前日の活動量や睡眠時間が影響しているかもしれません。
  • 体調不良: 本人も気づかないうちに、風邪のひき始めなど、体調が優れない可能性も。
  • 空腹・喉の渇き: 単純にエネルギーが不足していることも考えられます。
• 精神的な理由:
  • 練習内容への不満: 「つまらない」「難しい」「飽きた」など、練習内容が子供の興味やレベルに合っていないのかもしれません。海外の研究では、子どもたちがスポーツをやめる最大の理由は「楽しさを感じなくなったこと」だと言われています。
  • 失敗への恐れ: 「エラーしたらどうしよう」「うまくできなかったら恥ずかしい」といった不安を感じている可能性があります。
  • プレッシャー: 親やコーチからの期待を過度に感じ、それがプレッシャーになっていることも。
  • 特定の何か（人・物・場所）への嫌悪感: ボールが怖い、特定のコーチやチームメイトが苦手、グラウンドの雰囲気が嫌だ、など。
  • 他にやりたいことがある: 野球よりも魅力的な遊びや活動を見つけてしまったのかもしれません。
• コミュニケーションの問題:
  • 自分の気持ちをうまく伝えられない: 言葉で表現できず、「行きたくない」という一言で済ませてしまうことも。
  • 親の気を引きたい: かまってほしい、注目してほしいという気持ちの表れである可能性も。

大切なのは、頭ごなしに否定したり、無理強いしたりするのではなく、まずはお子さんの言葉に耳を傾け、その気持ちに寄り添うことです。「そうか、行きたくないんだね」と一旦受け止めることで、お子さんは安心感を覚え、少しずつ本当の理由を話してくれるかもしれません。

次の章では、これらのホンネを踏まえ、海外の知見も参考にしながら、具体的な「魔法の声かけ」について見ていきましょう。

海外の知恵に学ぶ：子どものモチベーションを高める親の声かけ

子どものスポーツへのモチベーションは、本人の内面から湧き出るものと、周囲からの働きかけによって生まれるものの両方があります。特にイヤイヤ期のようなデリケートな時期には、親からの声かけがそのバランスを左右する重要な鍵となります。

海外（特にアメリカ）の研究では、幼いアスリートのモチベーションに影響を与える要因について、様々な角度から分析が進んでいます。これらの知見は、日本の少年野球に取り組む親子にとっても、大いに参考になるはずです。

「内発的動機づけ」こそが継続の源泉

最も重要視されているのが「内発的動機づけ（Intrinsic Motivation）」です。これは、活動そのものから得られる楽しさや達成感、好奇心など、自分の内側から湧き出る意欲のことです。

• 楽しさを最優先に: 「野球って楽しい！」「もっと上手になりたい！」という気持ちを育むことが、長期的なモチベーション維持には不可欠です。
• 達成感の積み重ね: 小さなことでも「できた！」という成功体験を積み重ねることで、自信とやる気が生まれます。

逆に、「報酬がもらえるから」「叱られるのが嫌だから」といった「外発的動機づけ（Extrinsic Motivation）」に頼りすぎると、その動機がなくなった途端にやる気を失ってしまう可能性があります。

親のサポートが「楽しさ」と「自信」を育む

親の積極的な関与と励ましは、子どものモチベーションと楽しさを育む上で非常に大きな役割を果たします。

• 肯定的なフィードバック: 結果だけでなく、努力やプロセスを具体的に褒めることが重要です。「一生懸命ボールを追いかけていたね！」のように、頑張りを認める言葉は子どもの自己肯定感を高めます。
• 共感と理解: 子どもの気持ちに寄り添い、「今日はうまくいかなくて悔しかったね」とネガティブな感情も受け止めることで、子どもは安心感を覚えます。
• 過度な期待やプレッシャーは禁物: 勝利至上主義や結果ばかりを求めると、子どもは野球を楽しむことよりも「勝たなければならない」「失敗してはいけない」というプレッシャーを感じ、不安が増大してしまいます。これはバーンアウト（燃え尽き症候群）に繋がる危険性も指摘されています。

コミュニケーションが親子の絆を深める

良好な親子関係は、子どものスポーツ経験を豊かにする土台となります。

• 積極的に話を聞く: 子どもの話を最後まで聞き、興味を示すことで、子どもは「自分のことを見てくれている」と感じ、心を開きやすくなります。
• 安心できる環境づくり: どんな結果であっても、親は自分の味方であり、安全な場所であることを子どもが感じられるように努めましょう。批判や過度な干渉は避け、肯定的な言葉でサポートすることが大切です。

日本と海外の子育てスタイルの違いも意識する

日本では集団行動や規律を重んじる傾向がある一方、アメリカなどでは個人の自主性や独立性を重視する傾向が見られることがあります。また、日本では母親が子どものスポーツ活動に深く関わるケースが多いという特徴もあります。

どちらが良いというわけではありませんが、こうした文化的な背景の違いも理解した上で、ご自身の家庭やお子さんの特性に合ったサポート方法を見つけていくことが重要です。海外の研究で示されている「個人の楽しさや自主性を尊重する」という視点は、日本の少年野球においても、子どもたちのモチベーションを高める上で有効なヒントとなるでしょう。

次の章では、これらの海外の知見も踏まえ、パパが実践できる具体的な「魔法の声かけ」を、体験談を交えながらご紹介します。

【体験談も交えて紹介】イヤイヤ期を笑顔に変える！パパのための魔法の声かけ集

「もう練習行きたくない！」
イヤイヤ期の息子さんからこの言葉を聞いた時、パパとしてどう声をかけるべきか、本当に悩みますよね。私自身も、息子が少年野球を始めたばかりの頃、同じような壁にぶつかった経験があります。グラウンドへ向かう車の中で、あれこれ理由をつけて「行きたくない」とぐずる息子。あの時の途方に暮れた気持ちは、今でも鮮明に覚えています。

しかし、試行錯誤を重ねる中で、そして海外の研究で示されたヒントを実践していくうちに、少しずつ息子とのコミュニケーションが変わり、再び笑顔で練習に向かう日が増えていきました。

ここでは、そんな私の体験談も交えながら、イヤイヤ期のお子さんが再び野球を楽しめるようになるための、具体的な「魔法の声かけ」をシチュエーション別にご紹介します。

練習前の声かけ：期待感を高め、安心感を与える

練習へ向かう前の時間は、子どもの気持ちを左右する非常に大切なタイミングです。

• 楽しみに焦点を当てる:
  • 声かけ例: 「今日も〇〇コーチに会えるの、パパも楽しみだな！」「新しいバッティング練習、ワクワクするね！」
  • ポイント: 野球の「楽しい側面」を具体的に伝えることで、ポジティブなイメージを持たせます。私の場合、「今日は誰とキャッチボールできるかな？△△君とできるといいね！」など、友達との関わりを話題に出すことも効果的でした。
• 気持ちを理解し、受け止める:
  • 声かけ例: 「練習、ちょっと行きたくない気分なんだね。何かあった？パパに話せるかな？」
  • ポイント: まずは子どもの「行きたくない」という気持ちを否定せずに受け止めましょう。「どうして行きたくないの！」と問い詰めるのではなく、優しく寄り添う姿勢が大切です。
• 選択肢を与え、主体性を促す:
  • 声かけ例: 「今日はどの色のソックスで練習に行く？」「水筒のお茶、麦茶とスポーツドリンクどっちがいい？」
  • ポイント: 些細なことでも子ども自身に選ばせることで、「自分で決めた」という満足感と主体性が生まれます。練習内容ではなく、準備段階での小さな選択が、意外と子どもの気分を変えるきっかけになることも。
• プレッシャーを与えず、送り出す:
  • 声かけ例: 「今日も元気いっぱい、野球楽しんできてね！いってらっしゃい！」
  • ポイント: 「絶対勝ってこいよ！」「エラーするなよ！」といった結果を求める言葉はNG。楽しむことを一番の目的に、笑顔で送り出してあげましょう。

練習中の声かけ：努力を認め、自信を育む

練習中は、パパが見守っていること、そして頑張りを認めていることを伝える絶好のチャンスです。

• 努力を具体的に褒める:
  • 声かけ例: 「さっきのダッシュ、最後まで一生懸命走ってたね！」「大きな声で返事できてて、かっこよかったよ！」
  • ポイント: 結果が出なくても、その過程での頑張りや良い変化を見つけて具体的に褒めましょう。「ナイスバッティング！」だけでなく、「今のスイング、すごく力強かったね！」のように、内容を伝えることが重要です。
• 小さな進歩を見逃さない:
  • 声かけ例: 「前よりボールを怖がらなくなったね！」「キャッチボールのコントロール、良くなってきたんじゃない？」
  • ポイント: 大人の目から見れば些細なことでも、子どもにとっては大きな成長です。その小さな変化に気づき、言葉にして伝えることで、子どものモチベーションは格段に上がります。
• 簡潔でポジティブなフィードバックを:
  • 声かけ例: （ナイスプレーに）親指を立ててニッコリ！「いいね！」と一言。
  • ポイント: 長々とアドバイスをするよりも、笑顔やジェスチャー、短い肯定的な言葉の方が、子どもには伝わりやすいことがあります。特に低学年のうちは、過度な指示は混乱を招くことも。コーチに任せる部分と、パパが励ます部分のバランスも大切です。

練習後の声かけ：共感し、次への意欲に繋げる

練習が終わった後のコミュニケーションは、その日の経験を整理し、次への意欲を育むために非常に重要です。

• 経験や気持ちを尋ね、共感する:
  • 声かけ例: 「今日の練習、どうだった？一番楽しかったことは何？」「今日は暑くて大変だったね。よく頑張ったね。」
  • ポイント: まずは子どもの話を聞くことに徹しましょう。「今日は三振しちゃったけど、悔しかったね。でも、最後まで諦めずにバットを振ったのは偉かったよ」のように、ネガティブな感情も受け止めつつ、頑張りを認めることが大切です。
• 楽しかったこと、できたことを強調する:
  • 声かけ例: 「最後の試合形式の練習、〇〇君と協力してアウト取れてたね！見てて嬉しかったよ！」「今日は苦手なゴロ捕球、一回もエラーしなかったじゃないか！すごい！」
  • ポイント: 練習全体を通して、楽しかった瞬間や上手くいった部分を具体的に振り返り、ポジティブな記憶として残せるようにサポートしましょう。
• 無条件の愛情を伝える:
  • 声かけ例: 「今日も一日、練習お疲れ様。どんな時もパパは〇〇のこと、一番応援してるからね。」
  • ポイント: 野球の結果や出来不出来に関わらず、子ども自身を無条件で愛し、応援していることを伝え続けることが、子どもの心の安定と自己肯定感に繋がります。

これらの声かけは、あくまで一例です。お子さんの性格やその日の気分、状況に合わせて、言葉を選び、伝え方を変えていくことが大切です。そして何よりも、パパ自身が焦らず、心からの愛情を持って接することが、「魔法」を生み出す一番の秘訣なのかもしれません。

状況	魔法の声かけ（例）	期待できる心理的効果
練習前	「今日も一緒に野球できるの、パパも楽しみだよ！」	楽しさを促す、安心感を与える
	「練習に行きたくないんだね。何かあった？話してみる？」	気持ちを認める、信頼関係を築く
	「今日はどの帽子で練習に行く？」「最初にバッティングとキャッチボール、どっちからやりたい？」	自信を育む、主体性を促す
	「今日も元気いっぱい楽しんでおいで！」	楽しさを促す、プレッシャーを軽減する
練習中	「一生懸命ボールを追いかけてたね！」「ナイス頑張り！」	努力を励ます、自己肯定感を高める
	「さっきよりボールをちゃんと見れてるね！」「少しずつ上手になってるよ！」	自信を育む、成長を実感させる
	（良いプレーに）「いいね！」（笑顔でサムズアップ）	自信を育む、努力を励ます、ポジティブな雰囲気を作る
練習後	「今日の練習はどうだった？楽しかった？」「どんなことが一番面白かった？」	楽しさを共有する、気持ちを認める、コミュニケーションを深める
	「今日はちょっと疲れちゃったかな？」「うまくいかなくて悔しかったね。」	気持ちを認める、共感する、安心感を与える
	「〇〇君と仲良くできてよかったね！」「最後にいい当たりが出てたね！」	楽しかったことを強調する、ポジティブな記憶を強化する
	「今日も練習頑張ったね。パパはいつも応援しているよ。」	サポートを示す、無条件の愛情を伝える、自己肯定感を高める

NGな言葉・避けたい言葉の例

NGな言葉（例）	避けるべき理由
「勝たなきゃダメだ！」	結果へのプレッシャーを与え、楽しさを損なう可能性があります。
「なんで点が取れないんだ！」	失敗を責める言葉は、お子さんの自信を失わせ、萎縮させてしまう可能性があります。
「〇〇君はもっとできてるぞ！」	他の子と比較する言葉は、お子さんの自己肯定感を低下させ、劣等感を生む可能性があります。
「そんなの怖がるなんて、情けないぞ！」	お子さんの気持ちを否定し、不安な気持ちをさらに増幅させてしまう可能性があります。
「どうしてそんな簡単なことができないんだ！」	スキル不足を責める言葉は、お子さんのやる気を削ぎ、練習への意欲を失わせてしまう可能性があります。
「もうちょっと頑張りなさい！」	頑張っているお子さんに対して、さらにプレッシャーをかける可能性があります。お子さんのペースを尊重しましょう。
「才能がないんじゃないか？」	お子さんの可能性を否定するような言葉は、自信を大きく傷つけ、スポーツへの興味を失わせてしまう可能性があります。
「親がこんなに मेहनत (努力) しているのに！」	親の期待を押し付け、お子さんに罪悪感を感じさせてしまう可能性があります。
「負けたらおやつ抜きだぞ！」	外発的な報酬や罰は、内発的なモチベーションを損なう可能性があります。
「もうやめちまえ！」	一時の感情で否定的な言葉をかけると、お子さんの気持ちを深く傷つけ、親子の関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

親の悩みに寄り添う：子どものモチベーション維持とメンタルヘルスサポート

「練習に行きたくない」という息子さんの言葉は、パパやママにとっても大きな悩みであり、時には焦りや無力感を感じさせるものです。「せっかく始めたのに、ここで諦めてしまうのだろうか…」「どうすればまた楽しんでくれるのだろう…」そんな不安が頭をよぎるのは、自然なことだと思います。

しかし、ここで重要なのは、親御さん自身が落ち着いて、長期的な視点で子どもと向き合うことです。

親の期待とプレッシャーの適切な距離感

多くの場合、親は子どもに対して「もっと上手になってほしい」「試合で活躍してほしい」といった期待を抱きます。それは愛情の裏返しでもあるのですが、その期待が過度なプレッシャーとなり、子どもを追い詰めてしまうこともあります。

• 結果よりもプロセスを重視する: 勝利やレギュラー獲得といった結果だけを目標にするのではなく、日々の練習での努力、技術の向上、仲間との協力といった「過程」を大切にしましょう。
• 子どものペースを尊重する: 子どもの成長スピードは一人ひとり異なります。他の子と比較したり、焦って結果を求めたりせず、その子のペースに合わせたサポートを心がけましょう。
• 野球以外の逃げ道も用意する: 野球が全てではない、ということを親子で共有することも大切です。時には野球から離れてリフレッシュする時間を持つことで、また新たな気持ちで野球に取り組めることもあります。

幼い子どものメンタルヘルスを守るために

スポーツは子どもの心身の成長に多くの良い影響を与えますが、一方で、過度なストレスやプレッシャーはメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性も否定できません。特にイヤイヤ期のような感情の起伏が激しい時期は、より注意深いケアが必要です。

• ストレスサインを見逃さない: 以前より練習を嫌がる、イライラしやすくなった、食欲がない、眠れないなど、普段と違う様子が見られたら、それはストレスのサインかもしれません。
• 無理強いは禁物: 明らかに心身が疲弊している様子が見られる場合は、無理に練習に行かせるのではなく、勇気を持って休ませることも大切です。
• 専門家のサポートも視野に: どうしても状況が改善しない、親子だけでは抱えきれないと感じた場合は、チームの指導者や、場合によっては児童心理の専門家などに相談することも検討しましょう。一人で悩まず、周囲の助けを借りることも重要です。

パパ自身の心のケアも忘れずに

子どもの問題に直面すると、親は自分のことを後回しにしがちです。しかし、パパ自身が心身ともに健康でなければ、子どもに適切なサポートをすることはできません。

• 完璧を目指さない: 「良い父親でいなければ」「子どもをうまく導かなければ」と気負いすぎず、時には肩の力を抜きましょう。
• 悩みを共有する: 配偶者や他のパパ友、信頼できる人に悩みを打ち明け、アドバイスを求めたり、共感してもらったりするだけでも、気持ちが楽になることがあります。
• 自分の時間も大切に: 短い時間でも、自分の趣味やリラックスできる時間を持つことで、心に余裕が生まれます。

子どもの「行きたくない」という言葉は、親子関係や子育てについて改めて考える良い機会でもあります。焦らず、お子さんの気持ちに寄り添いながら、パパ自身も成長していくという気持ちで向き合っていきましょう。

少年野球の楽しさを再発見するために：親ができること

「もう練習行きたくない」という言葉の壁を乗り越え、息子さんが再び少年野球の楽しさを心から感じられるようになるためには、親としてできることがたくさんあります。それは、技術指導のような専門的なことではなく、日常のちょっとした関わり方や環境づくりの中にヒントが隠されています。

「遊び」としての野球を取り戻す

特に低学年のうちは、野球を「厳しい練習」として捉えるのではなく、「楽しい遊び」の一環として感じられるように工夫することが大切です。

• 練習メニューに遊びの要素を:
  • 鬼ごっこを取り入れたウォーミングアップ
  • 的当てゲーム形式での投球練習
  • 風船や柔らかいボールを使った室内練習
  • 親子や兄弟でハンデをつけてミニゲーム
• 勝利至上主義からの脱却: 試合の勝ち負けだけにこだわるのではなく、練習でできたこと、新しい技に挑戦したことなど、個人の成長や努力を褒める文化を家庭内に作りましょう。「今日はヒット打てなかったけど、最後まで諦めずにバットを振っていたのがカッコよかったよ！」といった声かけが効果的です。
• 「できた！」を積み重ねる環境: 最初は簡単な目標を設定し、それをクリアする喜びを体験させることが重要です。例えば、「今日はキャッチボールで３回連続ノーエラーを目指そう！」など、具体的で達成可能な目標を親子で共有し、達成できたら一緒に喜びましょう。

コーチとの連携を密にする

チームの指導者であるコーチとの良好なコミュニケーションは、子どもが野球を楽しむ上で欠かせません。

• 子どもの様子を共有する: 家庭での子どもの様子や、「行きたくない」と言っていることなどを、正直にコーチに伝えてみましょう。経験豊富なコーチであれば、何か良いアドバイスをくれるかもしれません。
• コーチの指導方針を理解する: コーチがどのような考えで指導しているのかを理解し、家庭での声かけと一貫性を持たせることも大切です。
• 感謝の気持ちを伝える: 指導してくれるコーチへの感謝の気持ちを忘れずに、日頃から伝えるようにしましょう。良好な関係が、子どもへのより良い指導に繋がることもあります。

パパ自身が最高のロールモデルになる

子どもは親の背中を見て育ちます。パパ自身が野球を心から楽しみ、スポーツマンシップを体現することが、何よりの教育になります。

• 一緒に体を動かす: 休日に公園でキャッチボールをしたり、バッティングセンターに一緒に行ったりと、親子で野球を楽しむ時間を作りましょう。パパが楽しそうにしている姿は、子どもにとって最高のモチベーションになります。
• ポジティブな言動を心がける: 試合で負けても相手チームを称えたり、審判の判定に文句を言わなかったり、チームメイトのミスを責めないなど、常に前向きでフェアな態度を示すことが大切です。
• 野球以外の共通の話題も持つ: 野球の話ばかりでなく、学校のこと、友達のこと、趣味のことなど、野球以外の話題でも積極的にコミュニケーションを取り、親子の絆を深めましょう。

息子さんが「練習に行きたくない」と言うのは、もしかしたら野球そのものが嫌いになったのではなく、何か別の小さなつまずきが原因かもしれません。そのつまずきを一緒に見つけ出し、乗り越える手助けをすることで、きっと再び野球の楽しさを発見してくれるはずです。焦らず、じっくりと向き合っていきましょう。

まとめ

「もう練習行きたくない！」
少年野球を始めたばかりの息子さんから、こんな言葉が飛び出したら、パパとしては本当に心配になりますよね。特に自己主張が芽生える「イヤイヤ期」と重なると、どう対応すれば良いのか途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

しかし、この記事で見てきたように、その言葉の裏には、子どもなりの様々な理由や感情が隠されています。「なぜなぜ分析」などを通じて、まずはそのホンネを優しく探ってあげることが大切です。そして、海外の研究でも示されているように、「内発的動機づけ」、つまり野球そのものの楽しさや達成感を育むような声かけや関わり方が、子どものモチベーションを再び引き出す鍵となります。

練習前、練習中、練習後といったシチュエーション別に紹介した「魔法の声かけ」は、あくまでヒントの一つです。大切なのは、結果を急かしたり、他人と比較したり、子どもの気持ちを否定したりするのではなく、常に子どもの一番の理解者であり、応援団長であるという姿勢を示すことです。パパ自身の体験談も交えながら、具体的な言葉選びの参考にしていただければ幸いです。

また、子どものモチベーション維持だけでなく、メンタルヘルスのサポートも親の重要な役割です。過度なプレッシャーは避け、時には思い切って休ませる勇気も必要です。そして、何よりもパパ自身が心に余裕を持ち、野球を通じて親子で成長していくという気持ちで、焦らず温かくサポートしていくことが、息子さんの笑顔を取り戻し、野球の楽しさを再発見する一番の近道となるでしょう。

このブログを訪れてくださったパパさんたちが、この記事を通じて少しでも悩みを軽くし、息子さんと一緒に笑顔で野球を楽しめる日々を取り戻せることを、心から願っています。